ジョンメリさんのレビュー 一覧
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タイトル 羽生善治の思考
説明 2010-11-29
ぴあ
羽生 善治
レビュー 僕は将棋は弱いがわりと好きなほうで、将棋の本をよく立ち読みする。

勝負師という点ではトレーダーも棋士も同じだ。

本書は若くして頂点を極めて、今なお第一人者として走り続ける羽生名人の発言をまとめたもの。

ページ数こそ薄いが、トレーディングのメンタルトレーニングにも通じる内容であり、心に染み入る言葉がいくつもあった。

以下、抜粋。


直感でどういう手が浮かぶとか、ある手をばっと切り捨てることができるとか、確かに個人の能力に差はある。しかし、そういうことより、継続できる情熱を持てる人のほうが、長い目で見ると伸びるのだ。



大一番の対局では、誰しも手堅く、安全、確実な道を選びたくなるものだ。自分もそうすることがよくある。しかし、確実にという気持ちに逃げると、勝負に勝ち続けるのは難しくなってしまう。


山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには、「選ぶ」より「いかに捨てるか」の方が、重要なことだと思います。


ミスはミスを呼び、悪手は悪手を呼ぶ。プロがミスをしないのは、ミスしにくい局面を選択しているからなんです。本当に見たこともない新手は、ひらめきみたいものからしか生まれない。でも、それは、先入観をすべて捨てて考えないとなかなかできない。


“いかに戦うか”は大局観にかかわるが、その具体的な戦略は事前研究が決め手になる。事前にしっかり準備して万全の態勢で対局に臨んでくる人は手強い人だ。



考える材料が増えれば増えるほど、“これと似たようなことを前にもやって失敗してしまった”というマイナス面も大きく膨らんで自分の思考を縛ることになる。そういうマイナス面に打ち勝てる理性、自分自身をコントロールする力を同時に成長させていかないと、経験を活かし切るのは難しくなってしまう。



ビジネスや会社経営でも同じでしょうが、一回でも実践してみると、頭の中だけで考えていたことの何倍もの「学び」がある。



一番いいと思えるものを簡単に、単純に考えることができれば、逆境からの突破口を見出せる。


「プレッシャーはその人の持っている器に対してかかるものだ。器が大きければプレッシャーを感じることがないはずだ」と自分に言い聞かせています。



大事なことは、ミスをしたとしても次のプレーを考えることなんです。いつまでも「ああ、ミスしてしまった」とひきずっていると、その思いにとらわれてプレーの足が引っ張られる。時間はどんどん流れていくのだから、次の展開、その次の展開と進んでいかなければいけない。これは、よいプレーをしたときも同じで、自分のプレーに酔ってはいけないんです。よいプレーも悪いプレーも、すでに過去のプレーになっているんだから。冷静になって次のベストプレーをしていかないと駄目ですね。



勝負の世界では、「これでよし」と消極的な姿勢になることが一番怖い。常に前進を目ざさないと、そこでストップし、後退が始まってしまう。




その他にも、ツキや運にとらわれず自ら切り開いていく力、リスクのとり方、反省はしても後悔しないこと、結果がでないときこそ変化させたほうがよいことなど、さすがと唸らされることばかりだった。

将棋のトップクラスまで登りつめただけあって、やはりどの言葉も重く説得力がある。

もしトレーダーという道を選んでも必ずや成功しただろうという凄みを感じさせる。

ありきたりな投資本を読むよりはるかに刺激になるよ。



「幸運の女神は勇者に微笑む」 by 羽生善治



彼は頭が抜群にキレるだけでなく、その棋風も積極的にリスクを取っていくスタイルで、まさに生粋の勝負師なのであった。
作成日時 03月26日 05:33
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カテゴリ 和書


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タイトル 投資見聞録~精鋭たちの“生”の言葉を聞く~ (投資家探訪シリーズ)
説明 2009-05-15
パンローリング
川崎 さちえ, 新田 ヒカル
レビュー 立ち読みですまそうと思ったが、ついつい衝動買いしてしまった。

そして、後悔した。

日本版マーケットの魔術師とよぶべき企画だが、なぜかまったく実績のない投資家も取り上げられている。

たとえば、北浜先生のご子息とかw

無名でもいいから、ちゃんと勝っているトレーダーの手法を知りたいのに、読者の期待を裏切っている。

だから、カブトモの皆さんにお勧めできるような良書ではない。

冒頭の南緒氏といちのみやあいこ氏のインタビューを読めば十分。

世間にはFXや株に関する駄本が氾濫しているが、本当に勝っている日本人の投資家によるまともな指南書がないのが残念でならない。

逆に今は投資本を書くチャンスかもしれない。

まぁリアルに勝っているトレーダーは自分が苦労して体得したストラテジーをむやみに晒したりしないけど。
作成日時 04月11日 22:26
満足度
カテゴリ 和書


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タイトル ソロス
説明 2004-06-04
ダイヤモンド社
マイケル・T・カウフマン, 金子 宣子
レビュー 彼の資産はおよそ1兆円以上あるといわれてますが、いったいどのようにして天文学的な資産を増やしていったのか、その生涯を「幼年期~投機化時代~慈善活動時代」の3構成に分けて詳しく解き明かしてます。

2007年のサムプライム危機では、ソロス・ファンド・マネージメントの損失は600億円だったらしいですが、それ以前の2006年には会社からのボーナスとして、約8億4000万ドル(日本円にして約949億円)受け取っていたらしく、ここ数年の金融危機でも最も損害の少ない投資家の一人といわれています。

読み進めていくうちに神秘のベールに包まれていたソロスの実像が鮮明になっていきます。

多くの金持ちは、財産が増えるにつれ、いろいろな贅沢ごとに手を伸ばすものですが、ソロスはそうしたものにはさっぱり興味が湧かなかったらしいですね。

カール・ポパーに憧れて哲学者を志していたことがあり、生活は質素そのもの。

そのあたりの金銭的なバランス感覚も成功した一因かもしれませんが、さらに驚くべきことにソロスは自分の儲けたお金を軽蔑していたということ。

後世に残るような哲学理論を打ち立てたい夢が捨てきれず、そうした密かな志を抱いていた彼の基準からみれば、金融界の成功など何ほどのものでもなかったということがわかります。

大金持ちになったはいいが、精神分析医へ長く通院したりして、内面はかなり病んでいたということを初めて知りました。

長期投資を基本スタイルとするバフェットと違って、それは投機というべきギャンブルにちかいものでしたが、節目節目で大勝負ができたのも、そういった心理的背景と無関係ではなかったように思います。

有名な英ポンド売りにしても、自身のファンドの全総額を上回る何百億という金額をリスクにさらして大勝ちしています。

この異常なまでの胆力、運を引き寄せる力がソロスの凄さだと思いました。

晩年、彼は慈善活動にも金融事業と同じようなエネルギーを注ぎ込むようになります。

本人は慈善活動など片手間仕事だと言い張り、ただの節税対策だとうそぶいてますが、その言葉とは裏腹に「死ぬまでに自分の財産すべてを慈善に使い果たそうと思っているのではないか」といわれるほど、多大な金額(500億ドル)を財団に注ぎ込んでいます。

そんなところも国際的に彼の名声を高めることになっているんでしょう。
作成日時 08月05日 03:06
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カテゴリ 和書


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タイトル 脱税のススメ -改訂版-
説明 2009-02-21
彩図社
大村 大次郎
レビュー
最近、改めて研究しているのが税金のシステム。

とくにFXやCFDをやられている方は、過去に悲惨なケースもあることだし、知識として最低限勉強しておくべきだろう。

http://www.fxhikakujp.com/

わりと面白かったというか、目から鱗だったのがこの本。

最初は本屋で立ち読みで十分だと思ったけど、時間がなかったのでつい買ってしまった。

著者は国税庁に10年勤めた元国税調査官であるが、「できるだけ税金を払わない方がいい」と言い切るっているからスゴい。

えっ、いいのかよ、そんなイリーガルなこといっちゃて?みたいな。

もちろん、この本はあからさまに脱税を奨めているのではない。

今までの主な脱税事件の紹介、脱税法の分類、合法の節税法の紹介から、宗教法人とか例のFXの脱税主婦、タックス・ヘイブンに至るまで、幅広い分野をおさえている。

脱税のシステムを知ることで、 結果的に税金徴収のシステムを知ることができるわけだ。

ある程度予想していたとはいえ、国税OBの存在と癒着が酷いねー。

税務署や国税局の考え方、何を基準にして動いているかということを知れば知るほど、これほどいい加減なものはないと思えてくる。

象徴的な話が西原恵理子の「脱税、できるかな」に書かれてあるので、興味のあるかたはそちらを読んでください。

法律や経理業務をしっかり勉強している人ならとくに驚くに値しないかもしれないが、「税金は支払うのが当然」と考えているボクのような真面目な一般庶民(笑)はぜひ一読をお奨めしたい。

我々が税金に対して抱いていた固定観念が、一気に崩れることうけあいだ。

ちなみに本書に記載していある全ての手口は、既に国税庁がマークしているので、本気で脱税を考えている人は注意が必要デスw
作成日時 08月09日 03:36
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カテゴリ 和書


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タイトル お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門
説明 2002/11/26
幻冬舎
橘 玲
レビュー 「お金持ちになれる」とあるが、資産形成の本ではなく、暗に日本社会を批判している書物。
「サラリーマンは搾取される可哀想な人種」とばかりに、年金や保険制度の不備を役人批判を交えつつ断言口調で書いているものの、論理の飛躍が随所に散見される。
効率的な資産運用を啓蒙する一方で、「投資するな」「お金を使うな」「税金を払うな」「不動産を買うな」など、ロジックが破綻している。
投資の本として読むのではなく、自由人である橘玲氏のユニークな思想を楽しむ為の本。
読み応えは十分であることはいうまでもない。
作成日時 06月03日 21:10
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カテゴリ 和書


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タイトル 投資苑 - 心理・戦略・資金管理
説明 2000/08
パンローリング
アレキサンダー エルダー,福井  強,Dr. Alexander Elder
レビュー プロのトレーダーでもある精神分析医が書いた世界屈指のテクニカ ル分析の本。
トレーディング上達のカギはファンダメンタルズを読み解くためでなく、群集心理を理解することであるの一節は目から鱗だった。
原書の題は“Trading for a LIVING" サブタイトルは“PSYCHOLOGY TRADING TACTICS MONEY MANAGEMENT“だが、それを投資苑と訳した翻訳者に座布団5枚。
作成日時 04月15日 22:20
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カテゴリ 和書


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タイトル 世紀の相場師ジェシー・リバモア (海外シリーズ)
説明 2001-06
角川書店
リチャード スミッテン
レビュー 今を遡ること80年前、1928年の世界大恐慌のさなかに、漫然と空売りを仕掛け一人勝ちを収めた稀代の投資家ジェシー・リバモア。
彼が混乱するマーケットでどのように成功を収めたのか。
その謎を解き明かす書物。

「一般の投資家というのは、数日前の相場と比べて安ければ安値と勘違いしがちだ。現実にはさらに値を下げていく可能性がいくらでもあるわけである。賢明なトレーダーは底値が確認されるまでじっと待つ、そして探りを入れた後に、本格的な「買い」に入るのだ」

「相場は将来の状況をにらみながら変動している。その時点での状況はすでに株価の中に織り込まれているのが普通である」

「株価の急落に直面したら、警戒する必要がある。急落後に反騰しなかったら、さらに値下がりする可能性が極めて高い。なぜそうなるのかは後になってあきらかになる場合が多い」

「マーケットというものは決して割り切りのいい相手ではないし、本質的に市場参入者の足元をすくう存在であり、無為の努力を要求することをわきまえなければならない」

「損きりは躊躇せず迅速に行え。そして、手じまう積極的な理由がない限り、一層の利益広大を狙え」

「株式相場というのはしばしば、場数を踏んだ相場師の予測を裏切り、わが道を進んでいく。こんなとき大やけどを負いたくなかったら、自分の見立てを捨てなければならない。先入観を捨て、相場が伝えてくるメッセージに従わなければならない」

-以上、本書より抜粋。

さすが、50年あまり相場を張り続けただけあって含蓄に満ちたお言葉の数々。
リバモアの投資哲学は現代でも十分通用するばかりか、マーケットで退場を食らわないための重要なエッセンスが散りばめられている。
だが、幾多の修羅場を潜り抜け、相場のイロハを知り尽くしたにもかかわらず彼は破産してしまう。
そして、最後は衝撃のピストル自殺で自分の人生に幕を下ろした。
ホテルの一室で「自分の人生は失敗だった」と書かれた遺書が悲しみを誘う。
リバモアほどの相場師がなぜ晩年になって破産に至ったのか、その詳細が明らかにされていないのが気になる。
やはり、死ぬまでこの世界で生き残るのは至難の業ということか。
トレーダーとして生計を立てているのならぜひとも読んでおきたい味わい深い伝記。
作成日時 03月19日 21:39
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カテゴリ 和書


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タイトル アンディ・グローブ[上]―修羅場がつくった経営の巨人
説明 2008-06-27
ダイヤモンド社
リチャード・S.テドロー
レビュー トレーダーの中には「巨万の富を稼いでやる」という野心が渦巻いている人が少なくないと思うけど、その上で「世界を変えてやる」という大志を持っている人がどれだけいるだろうか。

どっかのTV番組ではないが、金銭欲だけでは決していい仕事ができないw

アンドリュー・グローブほどの高いIQの持ち主であれば、トレーダーとしても難なく成功したと思うが、彼ならばその資本でさらにうえの世界を目指しているだろう。

日本でIT企業者というと、ヒルズに住んでチャラチャラしているというイメージがあるが、彼から受ける印象はそういった成金っぽさは一切なく質実剛健そのもの。

上巻下巻合わせて723ページにも及ぶ壮大な伝記を読んで、柄にもなく生きていくうえでの社会的貢献なんてことを考えさせられた。

今までやりたいほうだい好き勝手に生きてきて、いろんな国に行ったけど、そんなんじゃ本当に人生を謳歌しているとはいえないんだよね。

たとえ、BNF氏のように何百億稼いだって真の満足感は得られないのではないかと。

当然のことながら、アンドリュー・グローブはBNF氏を凌ぐ社会的に成功した大金持ちだが、羨ましいと思うのは、その功績と人徳によって多くの人に尊敬されていることだ。

彼の経営者としての才覚は、ナチスによるホロコーストの経験、地獄のような日々で目覚めたといわれるが、そのカリスマ性は、同じハンガリー出身の亡命者である稀代の投資家ジョージ・ソロスを凌ぐものがある。

本書はアンドリュー・グローブの人生に焦点が当てられたもので、インテルの経営スタイルを勉強するには、グローブ自身が↓の書籍を奨めている。

Christensen, C.M.(1997) The Innovator’s Dilemma When New technologies Cause Great Firms to Fail, Harvard Business School Press.(玉田俊平太監修,/伊豆原弓訳『イノベーションのジレンマ 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』翔泳社,2001年)

梅田望夫氏も述べているが、本当に頭のいい人ってグローブのような人物を指すのだろう。
作成日時 08月03日 05:55
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カテゴリ 和書


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タイトル 僕の起業は亡命から始まった!―アンドリュー・グローブ半生の自伝―
説明 2002-09-26
日経BP社
アンドリュー・S・グローブ
レビュー 世界屈指の半導体メーカーとして知られるインテルのCEO、アンドリュー・グローブの自叙伝。

著者の経営者としての手腕はすでに絶大な評価を得ているが、インテル創業云々の記述はほとんどなく、ハンガリーに生まれてからアメリカへ亡命、大学卒業するまでの半世紀が軽妙な筆致で綴られている。

ユダヤ人であることから激しい差別、納得できない理由で監禁されたり、 新聞など言論の自由がなかったり、 砲撃を逃れるための地下室での生活など、渡米前の第2次大戦期、共産主義下のハンガリーでの生い立ちの壮絶さはまさに筆舌に尽くしがたいものがあったようだ。

死を身近に感じる過酷な経験を乗り越えてきたからこそ、執念深さや集中力、気性の激しさ、カリスマ性などが根付いたのだろう。 。

パラノイアと称されるグローブだが、ここで失敗すれば後がないという恐怖を、生き残るための強力なモチベーションとしているところが興味深い。
作成日時 08月02日 16:29
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カテゴリ 和書


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タイトル プライベートバンカーが書いた!日経平均3000円でも資産が守れる方法
説明 2009-02-05
フォレスト出版
前田和彦
レビュー 昔から金融危機本が書店に溢れるようになれば、そこが景気の底だといわれるが、まさに本書が刊行された3月から日経平均が右肩上がりに上昇した。
「預金封鎖」「新円切替」「デノミ」「年金崩壊」と庶民の恐怖を煽るようなことが書かれてあるが、具体的に「日経平均3000円でも資産が守れる方法」が示されているわけではない。
本書はプライベート・バンカーである著者が自分を売り込むために書かれたものであり、わざわざ購入しなくても立ち読みで十分。
作成日時 08月03日 01:55
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カテゴリ 和書


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タイトル ゲイツとバフェット 新しい資本主義を語る
説明 2009-04-17
徳間書店
マイケル・キンズレー
レビュー タイトルからしてゲイツとバフェットの対談集かと思いきや、然に非ず。
お二方の対談は最初の20ページぐらい。
ソーシャルアントレプレナーのオピニオンリーダーとしてゲイツとバフェットが慈善団体を運営しているのはご存知のとおりであるが、彼らが提唱している「企業からの寄付金」や、「貧しい人々のためになる活動へ企業を参加させるインセンティブ」という手段について、お偉方の大学教授やアナリストが批判や実現の可能性を論じている。
寄稿者には、サマーズやヴァーノン・スミスなど錚々たる面子が顔を揃える。
つまるところ、現在の資本主義のシステムが一部の人に富が集中してしまう欠陥を、まさにその資本主義の恩恵で富を築いた人達が「これではいかんぜよ!」と問題提起し、解決の糸口を模索しているってわけ。
ま、少なくとも本書を読めば、今の世界経済のかかえる根本的な問題がわかったような気になる。
ビル・ゲイツがダヴォス会議で提唱した「創造的資本主義」(クリエイティブ・キャピタリズム)についての概要が日本語訳で読めるのはありがたい。
作成日時 06月27日 03:01
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カテゴリ 和書


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タイトル マンガ 終身旅行者 Permanent Traveler (ウィザードコミックス)
説明 2004-08-30
パンローリング
木村 昭二
レビュー 欧米では終身旅行者〝Permanent Traveler〟通称「PT」っていわれるライフスタイルが認知されていることをご存知ですか?

ある国の居住者になれば、当然、その居住国において納税の義務が発生します。
そこで、6カ月や1年ごとに居住する国を替えて、税務上、どこの国の「居住者」にも属さない「終身旅行者」と呼ばれる人たちが、いま世界中で増えています。
欧米エリートビジネスマンの中には若くして財を成した後、30歳前で一度リタイアし〝Permanent Traveler〟として世界中を飛び回っている連中も少なくないとか。

彼らがジプシーのように定住しないのは、旅行や単純な節税目的のみならず、複数の国を使い分け、できる限り金融資産のリスクを分散させるという意味合いがあるんですよね。

この終身旅行者のライフスタイルは次の6つの概念からなるそうです。

1.国籍を持つ国(パスポートを持つ国)

2.ビジネスを営む国(所得を得る国)

3.居宅を持つ国(住所として家を持つ国)

4.資産運用を行う国(銀行、証券口座を持つ国)

5.余暇を過ごす国(自分の趣味・生きがいを実現する国)

6.寄付をする国(自分が得た富を社会に還元する国)

このスタイルをこなしていくためには非常に高度なファイナンシャル・リテラシーが必要になってきます。

「PT」の概念を漫画でわかりやすく説明しているのが本書。
作成日時 08月03日 00:18
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カテゴリ 和書


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タイトル デイトレード―マーケットで勝ち続けるための発想術
説明 2002/10
日経BP社
オリバー ベレス,グレッグ カプラ,Oliver Velez,Greg Capra,林 康史,藤野 隆太
レビュー 損切りできないデイトレーダーは生き残れないということがさまざまな表現で何度もしつこく書かれている。
デイトレードにおいてメンタルがいかに大切な要素であるかということにも言及している。
もう少しはやくこの本を読んでおけば大損せずにすんだと思うと悔しい。
株で負けている人にこそお勧めしたい良書。
逆に今のような金融危機(2008年)において勝っているトレーダーは本書を読む必要はないかといえば、そうじゃない。
短期売買のセオリーが文学的な筆致で綴られており、すべてのデイトレーダーにとって必読しておくべきバイブルといってもいい。
作成日時 04月15日 18:37
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カテゴリ 和書


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タイトル 1Q84 BOOK 1
説明 2009-05-29
新潮社
村上 春樹
レビュー 株本ではありませんが、ついでにご紹介。

ベストセラーだからっていうんで試しに買ってみたんだけど、どうだった? と聞かれたら、素直に良かったよと答えられない後味の悪さが残りました。

良くも悪くも村上ワールドが炸裂してます。

かって村上センセは、どこかのインタビューで「僕の小説の読者の90%は僕の小説を誤読している」とかスゴいこと仰っていたけど、これだけ売れているってことは、ふだんあまり小説を読まない層も買っているんだろうなと。

なんだかよくわかんないハナシだったけど、とりあえず長編小説を読んだという達成感だけで満足してしまう人も多いのではないでしょうか。

「1Q84」という小説は、いってみれば仕手株ですよね。

出版社によって巧妙に仕掛けられた戦略。

日本人はブームに乗っかりやすいので、小説の内容、PBR、PER、関係なしに熱に侵され、みんな提灯買いしてます。

すいません、なまいきなこと言ってしまって。

あまりいい読者とはいえないですね。

でも、まぁ少なくとも先週為替でぶっこいたという現実逃避にはなりましたねw
作成日時 08月02日 17:37
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カテゴリ 和書


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タイトル ゴミ投資家のための人生設計入門 [借金編] (オルタブックス)
説明 2001-06-30
メディアワークス
海外投資を楽しむ会
レビュー 目から鱗の本。

借金というキーワードから、我々を取り巻く金融システムの構造、裏側をわかりやすく紐解いていく。

国を利用した上手な借金の仕方、借金から見た持ち家と賃貸の比較、会社員としてお得なクレジットカードとその利用法など具体的な金策戦略も書かれている。

借金をする前に、すべての人が読むべき良書。
作成日時 08月02日 17:25
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カテゴリ 和書


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タイトル お金を働かせる10の法則
説明 2004-03-20
日本経済新聞社
バートン・マルキール
レビュー 「ランダム・ウォーカー」で一躍有名になったバートン・マルキールの著書。

中長期的な資産運用ということであれば、株式はインデックスファンドを買っておけばそれでよろしいということを、効率的市場仮説論をふまえつつ解説している。

確率論的な観点から市場を読み解く数学者の視点で書かれているので、アクティブなファンドは実際にはインデクスを上回る成績を上げにくいとか、デイトレーダーにとってあまり有益なことはかかれていない。

橘玲氏の「臆病者のための株入門」や、藤沢数希氏の「なぜ投資のプロはサルに負けるのか?」は本書からの引用が多いのがわかる。
作成日時 08月02日 17:07
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カテゴリ 和書


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タイトル 金融工学を勉強しよう
説明 2004-04
日本評論社
足立 光生
レビュー 難解な数式が使うことなく、シロートでも理解しやすいようにやさしく金融工学、および「ブラック=ショールズモデル」を解説している。

会話仕立て&イラストの多さで、基本的なデリバティブ商品の仕組みはわかるようになっている。

世界金融危機で欲に取り付かれた大手投資銀行の経営手腕が批判されているが、金融工学そのものには罪は無いのだ。

オプション取引とはなんぞや?と質問されたときにトレーダーとして恥をかかないよう本書で勉強しておきたい。
作成日時 08月02日 16:49
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カテゴリ 和書


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タイトル ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ!―世界最高の投資家の原則 (スピークス・シリーズ)
説明 1999-07
ダイヤモンド社
ジャネット ロウ
レビュー ウォーレン・バフェット氏の投資に関する発言を網羅した格言集。
実際にバフェット氏が書いているわけではなく、筆者のジャネット・ロウ女史が調査し書き上げたもので、バフェットお得意のone liner(気の利いたジョーク)が散りばめられている。
投機と投資をはっきりと区別し、明確な原則を一貫して持ち続ける重要性が説かれている。

「原則その一、損をしないこと。 原則その二、原則その一を消して忘れないこと」

バフェットの投資原則はシンプルこのうえない。
株に興味のない人でも、成功した投資家の人生訓として気軽の読める。
バフェットを深く知るには物足りないともいえるが。
作成日時 06月26日 23:57
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カテゴリ 和書


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タイトル ゴールドラッシュ―しっかり儲かる金の凄さ
説明 2008-09
幻冬舎
天海 源一郎
レビュー 金の関する具体的な投資方法について書かれてあるのはもちろんのこと、金にまつわる様々なエピソード、「金は宇宙から来た」と言われていることや、米国のゴールド・ラッシュで誰が一番儲けたかなど興味深く記述が満載。
軽いエッセイのような感じでスラスラと読めてしまう。
はじめて金を購入する初心者にお奨めの書物。
作成日時 06月26日 22:47
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カテゴリ 和書


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タイトル 4つの資産──成功の黄金法則・僕の場合
説明 2006-10-25
講談社
蟹瀬 誠一
レビュー 一言で言えば蟹瀬誠一の投資哲学&立身出世物語。
ジャーナリトには珍しくデイトレを否定していないことに好感を持った。
リスク管理のポイントとして、投資している時間を極力短くすることによるリスク軽減効果を推奨し、本人も実践している。
下げトレンドが持続している日本市場では、ヴァフェットのような長期投資ではなく彼のようなやり方が一番賢いのだろう。
作成日時 07月16日 02:56
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カテゴリ 和書


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タイトル デイ・トレーダー (オルタブックス―「ゴミ投資家」シリーズ)
説明 1999-10
メディアワークス
馬渕 一
レビュー デイ・トレーダーの草わけ的存在。
アメリカ在住でデイトレーダーとして生計を立てている筆者だけあって、米国のデイ・トレードと日本のネット・トレードとの違いがわかる。
日本人のアメリカンドリーム物語としても読めるが、セミナーに誘う為の宣伝文句が鼻につき胡散臭さも感じる。
よってホシは一つ。
作成日時 04月17日 14:43
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カテゴリ 和書


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タイトル 会社はだれのものか
説明 2005-06-25
平凡社
岩井 克人
レビュー 会社は株主のものなのか、それとも従業員のものなのか。

以前自分が会社員だったころは”自分の会社”というより、どちらかというと、他人の資産を増やすために働いていて、報酬として給料をもらっているという構図が頭の中にあった。

資本主義枠の中で考えるなら、株主のものなのだが、そう思いたくない経営者はたくさんいる。

著者はライブドア×フジテレビ事件に言及しつつ、「会社は株主のもの」という米国型の株主主権論を、株主に所有されている会社がヒトとして会社資産を所有すると指摘し批判している。

つまり、「ポスト産業資本主義において、株主主権は間違っている、従業員こそが大事だ」というのが彼の主張らしい。

しかし、徹底的に株主を軽視してきた日本企業においては、もっと株主の権利を主張するべき風潮があっていいと思った。
作成日時 07月15日 23:37
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カテゴリ 和書


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タイトル 構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌
説明 2006-12-21
日本経済新聞社
竹中 平蔵
レビュー 竹中氏の官僚内閣在籍時代の5年5ヶ月期間の日誌をまとめたもの。
不良債権処理、郵政民営化など、当時マスコミの報道を賑わせた小泉政権における構造改革の舞台裏が覗ける。
政局を内部から変えていくにはよほどの覚悟がないとできないが、その重責を乗り越えた竹中氏の心労振りが印象に残った。
ただ終始、やたらと小泉首相を絶賛している描写が多いのが気になった。
やはりお世話になったボスのことは悪く書けないのだろうか。
作成日時 07月13日 02:49
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カテゴリ 和書


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タイトル 貧乏でなんのとりえもない高卒フリーター 株で2億!
説明 2005/02/01
扶桑社
ひろっぴ
レビュー タイトルがいかにも自虐的だが、これは本人ではなく編集者が売れるために考えたものだろう。
この手の株本は多いが、単なる成功譚の域をでておらず、本格的に株をやろうと思っている人は購入する必要がない。
おそらく数年後には絶版となっていること確実である。
もうそろそろ日本でもまともな株本が出てもいいと思うのだが、パンローリングからでているような硬派な本は売れないんだろうな。
作成日時 08月21日 23:48
満足度
カテゴリ 和書


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タイトル 相場ローテーションを読んでお金を増やそう―次の株高はいつ始まる?
説明 2008-02
日本経済新聞出版社
岡崎 良介
レビュー タイムリーに投資対象を入れ替える「相場ローテーション」はプロアマ問わず参考になると思う。
著者の大量データに基づく循環論の分析には舌を巻く。
世の中のお金の流れの仕組みを知るにはよい勉強になるが、本書を読んでも必ずしも投資の勝ち組になるわけではない。
自分がファンドマネージャーになったつもりで読むと面白い。
作成日時 05月07日 13:55
満足度
カテゴリ 和書


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タイトル 貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する
説明 2009-06-04
講談社
橘 玲
レビュー 黄金の羽根シリーズで有名な橘玲さんの最新作。
毎度のことながら氏の著述は倫理性があり、なおかつ読みやすい。
会計、税制、法律、そして金融工学とその博識振りにも驚かされるが、何よりも本書の根底には人間はいかにして幸福に生きられるかという本質的で深遠な問いかけ、哲学が感じられる。
資本主義というサバイバル社会を生き抜く為に役立つことうけあい。
作成日時 07月14日 06:43
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タイトル ローソク足と酒田五法 (よくわかる!シリーズLesson)
説明 2006-05-12
パンローリング
清水 洋介
レビュー CD付きなのでつい買ってしまった。
内容は初心者向けで、ある程度チャートの勉強をした人が読むたぐいの本ではない。
酒田五法の基本の形は学べるが、実際の相場でどう酒田五法を活用していくかは本人の能力による。
あたりまえだが。
作成日時 07月14日 03:58
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タイトル サンプラザ中野と松本大の株本(かぶぼん)
説明 2003-04-26
日本経済新聞社
サンプラザ中野, 松本 大
レビュー ブックオフの100円コーナーで購入。
基本的に初心者向けの本だけど、最後の章でLTCMのことがあいてあり、興味深く読んだ。
ジョン・メリウェザーの失敗に学ぶ教訓のいくつか、利食いをしなければならない、自分のサイズにあったリスクをとれ、股裂きは予測は不可能(策士、策におぼれる)、マーケットが一番大きい、継続は力なり。
これだけで100円の価値はあった。
作成日時 07月14日 04:49
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タイトル デイトレで2億儲けた方法 1億損した失敗
説明 2007/07/10
アスキー
うり坊
レビュー 株の本だと思って買うと失望することうけあい。
基本的にうり坊さんのファン向けに書かれた本。
フツーの大学生が相場の地合いがよければ2億円稼ぐのも夢ではないですということがわかる。
作成日時 07月17日 09:23
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タイトル 世界財閥マップ―グローバル経済を動かすパワー総覧 (平凡社新書)
説明 2002-12
平凡社
久保 巌
レビュー ロスチャイルド、ロックフェラーなどの古くから経済界に権力を持つ伝統的な財閥から、ウォルマートファミリーからビルゲイツまで、世界の富豪、財閥を網羅した本。
ふだん意識することもないアジアなどの財閥も紹介されている。
いくつもの日本の大企業が海外の大財閥と手を結んでおり、経済のグローバル化にともなって、大金持ち同士のネットワークもより親密になっているということがわかる。
実際の生活の中でこれらの知識が役立つことはほとんどないだろうが、酒の席で薀蓄を傾ける程度の知識は十分に手に入る。
作成日時 07月13日 04:48
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